コラム

お金の歳時記 2018年6月-時の記念日と時間を味方につける-

お金の豆知識

6月10日は時の記念日です。時の記念日は、1920(大正9)年に東京天文台(現在の国立天文台)と財団法人生活改善同盟会によって制定されました。
 日本国民に「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と呼びかけ、時間の大切さを尊重する意識を広めるために設けられたそうです。

 江戸時代は「不定時法」と呼ばれる時刻制度が使われていました。  これは、一日を日の出と日の入りを基準に昼夜を分け、それぞれを6等分し、その長さを一刻(いっとき)と呼んでいました。 季節により日の出や日の入りの時刻が変わりますので一刻の長さは昼夜で異なり、さらに季節によっても異なります。

 それが明治時代になり、1873(明治6)年に太陽暦と定時法(時・分・秒で時間を現す今の形)の導入により不定時法は使われなくなりました。
 つまり江戸時代は大まかな時間の捉え方だったのが明治に入り時間を正確に捉えるように変わって行くのですが、 時の記念日が制定された1920年は江戸時代に生まれた人たちまだまだがいた時代ですから、 正確な時の刻み方に慣れない人も多かったのではないか、とこの記念日の創設から想像しました。

 ファイナンシャル・プランニングで必ずお伝えするのが、「時間を味方に付けましょう」ということです。
 教育資金、住宅資金、老後資金が人生の3大資金と呼ばれていますが、短期間でこれらのまとまったお金を準備するのはとても大変です。 また早めに考えようとしても不安が先に立って、何をどう考えていいのか、分からないことも多いのではないでしょうか。
 そのような時には、FPが手順を踏んでしっかりと整理し準備のためのお手伝いをさせていただきますので是非お声がくださいね。

2018年5月-八十八夜と投資信託-

 「茶摘み」という曲でお馴染み「八十八夜」。八十八夜は、立春から数えて八十八日目のことです。  今年ですと5月2日がそれにあたります。そして、この時期に前後する形で「一番茶(新茶)」の茶摘みが行われ、その様子がお馴染み曲になったんですね。

 「一番茶(新茶)」は、その年の最初に摘み採ってつくったお茶のことで、その後に摘まれて作られたお茶は「二番茶」「三番茶」と呼ばれています。
 一番茶の特徴は、若葉のさわやかな香りがあるそうで、二番茶、三番茶に比べて苦渋みが少なく旨み、甘みが多いそうです。 新茶の美味しさを引き出すために淹れる湯の温度は70~80℃ということで、熱湯で淹れないところも気を付けないといけないようです。
 私自身新茶を意識して呑むことが少ないので一番茶を淹れる時は味わってみたいと思います。

 一番茶のような初物を食べると寿命が75日伸びると言い縁起物なので口にしたいところですが、投資の世界で初物は少し気を付けたいところです。
特に金融機関からおススメされる新規の投資信託は手に取らないのが無難かと思います。
 投資信託は我々のお金をプロが運用してくれるわけですが、それが目標通り運用できるかどうか判断しづらいです。 その一方で既に運用されている投資信託ですと、実際にどのような運用成績が上がっているのかが分かりますので、敢えて新しいものから選ぶ必要はないでしょう。
 選び方などご質問がありましたらなんなりとおっしゃってくださいね

2018年4月-奨学金-

 季節感は無いように思えるのですが、日本学生支援機構の奨学金の受付が5月からになりますので、全く無関係ではないんですね。

 最近、奨学金で破産をする人が増えているとの報道が見られます。
 平成28年の調査では約半数の学生が奨学金を受給しながら大学・短大へ通っています(日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」より)。

 さらに別の調査では、3ヶ月以上の延滞をしている人の割合は、現在約5%で、 延滞者の中で返還をしなければならないということを知ったタイミングが「申込手続きを行う前」という人が49.5%を占めていました(日本学生支援機構「平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」より)。

 このことから「奨学金=もらえるお金」と勘違いしている方が一定数いるようです。 学校によっては独自の給付型の奨学金を実施しているところもあり、全ての奨学金が返還をしなければならないというわけではありません。

 また、昨年から日本学生支援機構でも経済的に困難な学生に対して、給付型の奨学金を開始しました。 まず知っておかなければならないのは、奨学金には返還が必要なものと不要なものがあるということです。
 それぞれの奨学金を受けるには様々な要件を満たす必要があり、どうしても借りることを主体に考えがちですが、まずは借りたものを返済できるかどうかを考えておきたいところです。

2018年3月-進学とお金-

 3月となりますとあちらこちらで、進学のお話を耳にします。学校では、3月は卒業生を送り出し、4月から新入生を迎えます。 また、在校生は学年が変わりますので、それらの事務作業等で一番忙しい時期ではないでしょうか。
 会社に目を移しましても3月末が年度末となっているところが多いようで、こちらも大忙しとお話は毎年伺います。

 その年度替わりがこの時期になったのかを調べてみましたら、ルーツは1886(明治19)年にさかのぼるようで、およそ130年前からの話なんですね。 明治の初めより10月、1月、7月と色々試したようですが、その当時の納税者の中心だった農民が税金を納めやすいということで4月に落ち着いたらしいです。

 進学を前にした時、気になるのが教育資金です。
 右の表を見ますと大学まで国公立で進んだとしてもかなりの金額がかかることが分かります。ただし、これはあくまでも平均値となっております。

 進学先の学校によって学費は大きく異なりますし、進学先の学校がある都道府県によっては、高等学校については無償化の政策があるところもあります。 進学するお子様本人の意向も確認しつつ、早めに進学の方向性を定めると資金の準備がしやすくなります。

 進学はまだ先という方も、進学の話題がニュース等を賑わしているこの時期に、ご家族でお話合いを持たれてはいかがでしょうか。
 教育資金のご相談も承っておりますので、資金のシミュ―レーション等ご相談がありましたらいつでもお声掛けください。

2018年2月-節分と確定申告-

 節分は各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことで、漢字の通り「季節を分ける」日ですが、現在は立春の前日だけを節分と呼ぶようになっているようです。
 節分では、豆まきや鰯を食べる恵方巻等地方によって様々な習慣があるようで、特に恵方巻は近年定着したように記憶しています。
 恵方巻の起源について色々と調べてみましたが、江戸時代の船場からの発祥、花街からの発祥、大手コンビニチェーン発祥など情報は多くありますが、はっきりとしたものが見当たりませんでした。

 しかし、よくよく考えてみますと、現在残っている民間の風習で発祥がはっきりしているものの方が少ないのではないでしょうか。節分の豆まきや鰯の発祥についても、説明の最後には「と言われている」という言葉がそれを指しています。
 難しいことは考えずに風習を気楽に楽しめればいいのかなと思います。

 その一方で、なかなか気楽に考えられないのが確定申告です。これも季節を分ける風物詩と言えなくもありません。
 毎年、様々なご相談をいただいたりするのですが、私は税理士ではありませんので所得税の一般的なご説明に留めなければならないのが少し心苦しいところです。

 それでも税金の基本的な仕組みをご理解いただければ、現在は国税庁のホームページや冊子類が充実してきておりますのでかなりの部分はご自身で申告書類のご準備をしていただけるのではないかと考えています。
 もちろん税理士が関わらないと対応できないこともありますから、その際には適切な税理士のご案内をさせていただいております。
 今年も2018年(平成30年)2月16日(金)から3月15日(木)が申告の期間となっております。還付申告はそれまででも可能ですのでどうぞ忘れないうちにご準備してください。

2018年1月-一年の計と家計簿-

 「一年の計は元旦にあり」ということわざがあります。これは、一年の計画は年の初めである元旦に立てることが大切である、 つまり物事を始める時には、最初にきちんとした計画を立てるのが大切という意味です。

 言葉の由来としましたら、中国の古典に出てくるというものと、日本の毛利元就の言葉という二つの説があるようです。
 中国の古典には、「一日の計は晨(あした:朝)にあり、一年の計は春(元日)にあり、一生の計は勤(仕事)にあり、一家の計は身(主人)にあり」と出てきます。
 また毛利元就は「一年の計は春(元日)にあり 一月の計は朔(ついたち)にあり 一日の計は鶏鳴にあり」との言葉を、息子の毛利隆元に送ったとされています。
 どちらの説でも、初めに計画を立てるのは大切であることを伝えていることに変わりはないようです。

 さてそんな年の初めに付け始めるのが家計簿で、3日で終わるのも家計簿です。
 家計簿は1月1日からつけ始めてはいけないと言います。それはお正月の三が日と言うのは1年で一番お金の流れが把握できない時期です。 お年玉や普段お付き合いのない人たちとのお食事会などもあり、家計簿を付けようとした時には相当な労力を要します。 家計簿をつけ慣れていない方がお正月から家計簿を付け始めて続かないのは無理のないことなのです。

 ですので、家計簿をつけるのは普段通りの生活に戻った時が良いでしょう。 また、1円単位でつけてしまいますと、家計簿と現金が合わないことがありますが、少々の誤差は気にしない方が良いでしょう。 ただ使途不明金がかなりの割合となってしまう状況はまずいですので、それをどう改善するかは考えていかなければないでしょう。
 家計簿つけることを難しく考えるのではなく第1の目的を大まかな家計の状況を掴むためと考えていただければ気持ちも楽に長く続けられるのではないでしょうか。

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