コラム

お金の歳時記 2019年5月-おもちゃの日と高等教育の無償化-

お金の豆知識

5月5日は「こどもの日」で祝日ですが、それに絡めた記念日として「おもちゃの日」となっております。
 この記念日は、日本玩具協会・東京玩具人形問屋協同組合が1949(昭和24)年に端午の節句に因み、おもちゃや人形のPRの為に設けました。 調べて分かったことですが、意外と古い記念日なのですね。

 おもちゃの歴史を辿ってみますと、おそらく太古の昔から何がしかのおもちゃがあると思われますが、 実際に発掘されたものとしましては、平城京跡から独楽が出土しているようです。
 また、今では女の子のおもちゃであります人形は、昔は宗教的に使われておりましたが、おもちゃとして使われだしたのは、室町時代あたりからだそうです。
 明治以降になりますと、おもちゃは国家による教育的な側面も強くなり、太平洋戦争の時代には国威発揚の役割も果たしていたようです。

 戦後は、国威発揚的なものは姿を消しましたが、娯楽的なおもちゃと教育的なおもちゃに分かれているように思います。
 後者では、最近は知育教育のためのおもちゃが、おもちゃ市場の20%を占めており、 テレビゲームよりも規模は大きくなっています(日本玩具協会「2017年度国内玩具市場規模」)。 テレビゲームやスマホゲームが花盛りですからそちらの方が規模が大きいかと思いましたが結果を見ますととても意外でした。 子どもの教育に対しては、お金をかけていきたいというのが親心なんですね。

 そんな教育に対して、様々な事情からあまりお金をかけることが出来ないご家庭もあり、 教育の機会均等を図るために、現在の国会で高等教育の無償化に関する法律案ついて審議されています。 先日その法案は衆議院を通過し、現在は、参議院にて審議が進められています。
 これは、低所得者世帯に生まれた子どもたちが、社会で自立し、活躍することができるよう、 人材を育成する大学等に進学することができるように、経済的負担を軽減するための法律です。

 政府は、我が国の急速な少子化の進展への対処に寄与するため、支援が必要な低所得者世帯の者に対して、 授業料及び入学金の減免と給付型奨学金の支給を合わせて行うとしたものです。
 本来は、全世帯の子どもたちが無償で大学等へ進学することが出来るのが理想ですが、  それに至るための第一歩としてこのような法案が出来るのは良いことではないかと考えております。

 この法案における低所得者とは、住民税非課税世帯を想定し、学費の実質無償化を行う予定ですが、 それに準ずる世帯(年収目安380万円以下)であっても、授業料等の3分の1や3分の2が免除されることになっていますので、 経済的な理由から大学等へ進学を諦めていた世帯にとっては朗報となるかもしれません。
 もし、高等教育の完全無償化が実現されるなら教育資金の計画の立て方も大幅に変わってくるでしょう。

 前述の通り、現在、この法案は参議院での審議中です。また財源が10%に引き上げられる消費税とのことで、 夏の参議院議員選挙と同時に衆議院議員選挙があるとの噂もちらほらあり、その際には消費税増税を棚上げするとの話もあるようです。
 このことから、今後の状況によっては実現しない可能性もありますので、状況を注視する必要があるでしょう。

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