お金の歳時記 2018年12月-なまはげと家計簿その後-
お金の豆知識11月29日に秋田男鹿のなまはげがユネスコ無形文化遺産に登録されました。
なまはげは大晦日の晩、村の青年たちが扮して、「泣く子はいねがー、言うこど聞がね子はいねがー」などと大声で叫びながら村の家々を巡ります。 なまはげは、怠け心を戒め、無病息災・五穀豊穣をもたらす神とされています。
「なまはげ」という言葉の由来は、囲炉裏で長く暖をとっていると、手足に火型ができてしまい、これを方言で「ナモミ」と言うそうです。 囲炉裏でずっと暖を取っている怠け心を戒めるため、ナモミを剥ぐということから、「ナモミ剥ぎ」→「ナマハゲ」となったそうです。
なまはげに関する最も古い記録は江戸時代に遡ります。また、柳田国男や折口信夫などの民俗学の研究対象となっています。
秋田から遠く離れた関西にいる私でも存在を知っているということは、先学のお陰です。さらに世界に発信されたのは喜ばしいことだと思いました。 なまはげ以外にも、無病息災、五穀豊穣を願う伝統行事は日本全国多数存在しているのだと思いますので、機会を見つけて色々情報を収集できればと思っています。
なまはげが、無病息災、五穀豊穣とともに、怠け心を戒めると意味合いもありました。 1月の当コーナーで、家計簿についてお伝えをさせていただきましたが、三日坊主とらなずに上手く続けておられますでしょうか?
1月には細かく付け過ぎないこと、使途不明金を極力少なくすることをお伝えしておりました。 細かく付けますと大変で怠け心が出てしまいます。私自身は家計簿を5年間続けております。 5年の中で少しずつ改善してきましたので、今現在のスタイルと5年前とは状況が大きく変わっております。
1から完璧なものではなくご自身のスタイルを時間をかけて作っていくという楽しみ方もあります。 初めはExcel(表計算ソフト)の機能の練習も兼ねていました。
パソコンの計算ソフトは入っているけれども使えていない、スマートホンにも似たような機能が入っているけど使っていない、という方もいらっしゃるかもしれません。 せっかく高いお金を出して買ったものを活用できていないのももったいないですよね。 わざわざ新しいノートを買ってきて付けるというよりは、今現在お家で眠っているものを上手に使ってみてください。
そういった家計簿とは少し離れた目的を一緒に持つというのも続けるコツかもしれません。
年末年始でお金の出入りが激しくなりますので、今のうちに現状を把握しておいていただければと思います。
2018年11月-文化の日と教養娯楽費-
11月3日は文化の日でした。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨として1948年に制定されました。
「文化」の意味は広く、人間の社会的な活動全般を指すのですが、日常の生産活動以外の余暇の活動を指すことも多く、文化芸術などと表現されたりもしています。
そんな文化の日にちなみまして、世の中の人たちはどれくらい文化活動にお金を使っているのかを調べてみたいと思いました。
ただ、なかなかピンポイントの統計データは出てこなかったので、総務省「家計調査」から教養娯楽費の地方別ランキングを見てみます。 これは、家計のうちどれくらいを教養娯楽費に使っているかというデータです。教養娯楽費は、旅行やレジャーなどの費用が中心です。 つまり、余暇にどれくらのお金を使っているのかというデータです。旅行やレジャーも文化活動の一つと考えられますので、こちらをみてみます。
そうすると、上位3位までは東京・名古屋・大阪を中心とする大都市圏が占めました。
大都市圏にはレジャー施設や博物館などの文化施設が多く存在しておりますので、その影響が多分にあったのではないでしょうか。
逆に旅行先の対象となる地方が教養娯楽費にお金を使っておらず、リゾートな印象の沖縄県が最下位となっています。 地方になりますと都会にあるような施設は少ないですからそれほどお金を使わないということなのかもしれません。 都会よりストレスをためないのでそれほど教養娯楽費にお金を使う必要がないのかもしれませんね。
家計のことを考えますとなかなか文化活動にお金を回しづらい部分もあるかと思います。 しかし、日頃の生活のことだけを考えておりますと息が詰まってしまうこともありますので、気分転換に文化活動にお金を使って見るのも良いかと思います。 そのことで日常生活の新たな面が見られたりで逆にお金が入ってくるというきっかけになると思います。
2018年10月-体育の日と健康寿命-
現在の体育の日は、10月の第2月曜日となりましたが、以前は10月10日でした。
この日は、前回の東京オリンピックの開会式の日で、それにちなんで「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」ことを目的として制定されました。
「10月10日は東京の晴れの特異日で開会式に雨が降って欲しくないことでその日が選ばれた」という説がありますが、10月10日は統計的に晴れの特異日ではないようです。
1971年から2000年までの30年間のデータでは、雨が全く降らなかった日は、
10月 9日:17回
10月10日:19回
10月11日:14回
と大きな差はありません。
東京オリンピックの当時、10月に最も晴れる確率が高いのは15日で、次いで10日でした。しかし、15日は木曜日で、10日は土曜日であったことから土曜日の方を選ばれたようです。 次回のオリンピックは真夏ということですが、どのような天気になるのか今から楽しみです。
体育の日は、各地で運動と健康に関するイベントが行われるようですが、 人生100年時代と言われます昨今、長生きをするのはいいですがやはり健康に長生きをしたいところです。
その健康に過ごせる期間を現したものが健康寿命です。厚生労働省によりますと、 2016年は男性72.14歳、女性74.79歳で前回(2013年)と比べ男性が0.95歳、女性は0.58歳延び、平均寿命との差が縮小したそうです。
老後の資金計画を考える上でも、自分自身の病気や介護のことがとても気になるところです。 健康でこそお金は楽しいところに使われ、楽しい人生を送ることができ、その分将来への漠然とした不安もなくなります。
せっかくの体育の日ですし、生活を見直すきっかけになればと思います。
2018年9月-「燕帰る」と家選び-
ご存知の通り、ツバメは春になると日本へと渡ってくる渡り鳥です。そんなツバメが南方に帰って行くのが秋で、「燕帰る」は秋の季語にもなっています。
ツバメは関西では2月から3月、姿を見せ始めるため、「春告げ鳥」とも呼ばれています。
日本にはツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、ヒメアマツバメ、ショウドウツバメ、リュウキュウツバメなどのツバメがやってきています。 しかし最近では日本へ渡ってくるツバメが少なくなり、千葉県などでは要保護動物に指定されています。
ツバメは春になると日本へやってきて、巣作りをします。暖かくなり始め、餌となる羽虫や昆虫が姿を見せ始めるとツバメの繁殖、巣作りのシーズンです。 春になると家の軒先に巣作りをするツバメの姿をよく見かけます。その巣は泥や枯草を唾液で固めたものです。巣は3日から一週間程度で作ることができます。
また、ツバメは以前住んでいた巣の場所を覚えており、そこに巣が残っていた場合には、それを補修をして使います。なので、一度ツバメが巣を作った場所では春になるとツバメの姿を見かけることが多いです。
そんなツバメは、9月中旬から10月下旬になるとツバメは暖かな南へ向けて渡りを始めます。 このため、11月から2月にかけてはツバメの姿を見かけることは減りますが、中には体調不良などで日本へ残っているツバメもいます。
このような「越冬ツバメ」と呼ばれるツバメたちは、主に民家の屋根裏や軒下など、暖かな場所を巣にして冬を越します。
このように、ツバメは自身の住みやすいところを探して毎年旅をしますが、人間も住まい選びは重要です。FPの世界では教育資金、老後資金とともに住宅資金が人生の三大資金として取り上げられます。
住宅資金において永遠のテーマと言われるのが、持ち家が得か賃貸が得かです。
【賃貸のメリット】
・転居がしやすい。
・修理に自己負担がかからない。
・管理組合や町内会などの煩わしさがない。
【賃貸のデメリット】
・更新料や住み替え時に費用がかかる。
・退去時に修繕費を負担せざるを得ないこともある。
・自分の財産にはならない。
【持ち家のメリット】
・ローン完済後は資産として土地/住宅が残る
・地域との親交が生まれやすい。
【持ち家のデメリット】
・住宅ローンを組むと利息がかかる。
・固定資産税がある。
・マンションの場合は管理費や修繕積立費がかかり、
・戸建の場合はリフォーム費用がかかる。
それぞれにメリットデメリットがありますので一概にどちらが得とは言いづらいです。 どのようなお仕事をしているのか、家族構成によっても異なります。持ち家の最大のメリットは資産として残ることでしょう。
ただしその持ち家を処分したい時に資産価値があればいいのですが、今後少子化によって家が余っていくことを考えると、そのメリットを享受できない場合もあります。 どちらを選択するか、鍵となるのは一人一人の価値観でしょう。
周りの人の意見に左右された結果の意思決定では後悔が大きくなります。 どのような人生を送りたいのかしっかりと考えた上でどちらかを選ばないといけないと考えております。
2018年8月-お中元と株主優待-
お中元のルーツを調べようとインターネットを検索しておりまして知ったのが、地方によって異なるお中元を贈る時期がことなるということです。
生まれてから関西住まいなので遅くても8月15日までというイメージを持っていましたが、関東は7月中までの行事なんですね。今では時期が早まって6月末から送ったりしているようです。
関東や関西以外の地域では、北海道は7月中旬から8月15日まで、東北は7月初旬から7月15日まで、北陸は7月中旬から8月15日までの地区と7月初旬から7月15日までの地区があるようです。 東海、中国、四国は7月中旬から8月15日まで、九州は8月1から8月15日まで、沖縄は旧暦7月15日で今年は8月25日までで様々です。
ちなみにお中元の起源は、古代中国の道教にあるようです。道教には三官信仰と呼ばれるものがあり神様を「三元」の日に祭ったそうです。
「三元」とは旧暦の一月を上元、七月を中元、十月を下元とし、それぞれの十五日に三官(天官・地官・水官)と呼ばれる3つの神様が生まれたと言われております。
この三官のなかでも慈悲神様(地官)。七月十五日に行われていた誕生を祝うお祭りが、同じ日に行われていた仏教のお盆の行事と結びつき、これが日本に伝わり親類や隣近所に仏様に供えるお供物を送る習慣となったようです。
お中元を贈るのは、誰に何を贈るのかを考えるのに結構大変だったりしますが、逆にいただくととても嬉しいものです。
ファイナンシャルプランニングの世界で、もらって嬉しい贈り物と言えば、株主優待ではないでしょうか。 去年のデータになりますが、上場企業数(全市場)3,723社中1,368社が株主優待を実施しています(大和IR社調べ)。実に、36.7%です。
書店には、株主優待銘柄を特集した雑誌も並んでおり、株主優待から投資する銘柄を選ぶというのも一つの方法となってます。
私自身も以前は、毎月株主優待が送られてくるように、保有株を構成したことがありました。
ただ初めは楽しかったですが、株主優待を消化するのがとても大変となってしまい、不要なものは一部売却し、優待目当ての銘柄は、生活に密着したものを必要最低限保有としました。
今後、投資したい会社が結果的に株主優待を実施していることはあるかもしれませんが、株主優待を第1目的として銘柄を選ぶことはあまりないと思います。
投資は全体のバランスが大事と考えておりますので、その範囲を守りつつ投資を続けております。 そのバランスは恐らく個人個人が投資を行って行く上で自分にとって落ち着くところを見つけていくのだと思っております。
2018年7月-七夕と路線価-
毎年7月7日の夜に、願いごとを書いた短冊や飾りを笹の葉につるし、星にお祈りをする七夕ですが、それはいつから始まったのでしょうか。
その起源には諸説がありますが、①「棚機(たなばた)」という神事、②織姫と彦星の物語、③「乞巧奠(きこうでん)という行事の3つが合わさったものと言われています。
「棚機(たなばた)」とは選ばれた乙女が川などの清い水辺にある小屋にこもって神さまのために心をこめて着物を織り、神さまに豊作を祈ったり人々のけがれをはらうというものでした。
そのときに使われたのが「棚機(たなばた)」という織り機です。お盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。
織姫と彦星の物語は、織女(しゅくじょ)星(琴座の一等星ベガ)は裁縫、牽牛(けんぎゅう)星(鷲座の一等星アルタイル)は農業をつかさどる星と考えられていました。
この二つの星が7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えることから、この日を一年一度の巡り合いの日と考え、織姫と彦星の物語が生まれました。
「乞巧奠(きつこうでん)」は、中国の行事で7月7日にはた織りや裁縫が上達するようにとお祈りをする風習から生まれ、やがてはた織りだけでなく芸事や書道などの上達も願うようになりました。 日本での七夕行事は、平安時代に中国から伝わり、宮中行事として行われるようになりました。
江戸時代になり七夕行事が五節句の一つとなると、七夕は庶民の間にも広まり、全国的に行われるようになり、野菜や果物をそなえて、詩歌や習いごとなどの諸芸の上達を願いました。
時が経つにつれ、諸芸の上達だけではなく色々な願い事を書いた短冊笹竹につるし、星に祈る現在のような形へと変わっていきました。
街にでて七夕飾りを目にしだした時期発表になるのが「路線価」です。
路線価は、一定範囲の道路に面した土地1㎡当たり価格のことで、毎年1月1日の価格を7月上旬に国税局より発表されます。
そして、この路線価を元に計算された土地の価格に相続税や贈与税が課せられます。つまり路線価が上昇すると納める税金が増え、下落すると納める税金が減ります。
ですので、土地を相続する人は、路線価の状況には目を配っておく必要があります。国税庁のホームページには全国の路線価が載っていますので、ご自身がお持ちの土地の路線価を調べてみるといいですね。
それが大変という場合は、固定資産税を納める時に表示されている固定資産税評価額が参考になります。目安ですが、固定資産税評価額に1.14を掛けると路線価になるとされています。